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ユニクロが独自の価格を創造した

ユニクロが独自の価格を創造したことが、人の心を動かしたのである。消費者は価格に見合った価値のものに敏感に反応する。価格と価値の。バランスがとれていれば財布のひもはゆるむものだ。しかし、このシステムは自らのリスクで、しかも完全買取り方式でないと実現できなかった。つまり、自由に価格設定ができない。このことはユニクロ自体がチャネルリーダーであるということを示す。チャネルリーダーとは生産者、問屋、小売業と続く縦の流れの中で、その商品の流通を支配していると考えられる企業のことだが、商品によってはメーカー、問屋、小売業のどれがチャネルリーダーになってもおかしくない。すなわち、リスクのないところに利益はなく、高いリスクを覚悟でやるところに収益があるということである。チャネルリーダーは自社で価格設定するので粗利も高い。

ファイブフォックスの経営理念

コムサデモードというと女性の間では知らない人はいない。ファイブフォックスというより、一般にコムサデモードという名前の方が知られている。ファーストリテイリングというよりユニクロの方がわかりやすいようなものだ。ではコムサはどんな経営理念のもとに行動しているのか。会社の資料をみると冒頭に凛という言葉が出てくる。りんとは普通、「態度や顔つきがしっかりしたようす」という意味である。信念をもつ経営という意味をもっているのだろうか。コムサの服作りに対する信念のようなものは次の通りである。「(1)私たちは、私たちの服を着た人にしか分からないものを、もっと大切にする。試着しただけでは分からないものを大切にする。つまり、流行の先端にあるだけがいい服とは思わない。服としての実質があってこそ、いい服なのだ。実質のある服は着る人の誇りと内面の表現につながる。(2)もう着られないのにどうしても捨てられないと、そう言われる服を作り続けていきたい。その服は、きっとその人の人生の歴史を共有できたのだと思う。着る人の人生の中に深く入り込んだのだと思う」このようにコムサは服作りの思想・哲学をはっきりと明示しているのが特徴である。「(3)見えないところへの「こだわり」。服づくりの基本をあくまでも固守することから、新しいクリエイティブがスタートする。このこだわりこそが、本当のオリジナリティというものである。このようなこだわった服作りに専念する。(4)コムサデモードの歴史の中で得たもの作りのノウハウ。それを私たちは神話と呼ぶ。これこそが、才月をついやして育てた私たちの財産。こだわりのないものは私たちの商品とは呼べない。(5)素材があって、イメージがあって、着る人の生活を見つめるところからデザインはスタートする。」たしかに重要だ。ところが普通デザイナー企業といわれる欧州ブランドビジネスの場合自分たちの作りたい服を作りそれを買せるやり方だ。「(6)さらに「コムサのもうひとつの財産。このことをよく理解し着る人にそれを伝えるサービススタッフたち。着る人に感動をあたえること。そして、私たちもともに喜べること。これが私たちのもの作りの理念です。」コムサはこう主張している。

若者たちのたくさんのダンスのためのカジュアルウェアが誕生

スウェードの靴も、英国でポピュラーになっていった。帽子やチョッキ、スパッツ、フォーマルなスーツ、白いネクタイが次第に消えていったのはこの時代である。彼らが求めた類は、土曜日の晩に女の子たちと、ドライブやダンスに行く服である。青春を謳歌するための服といってもいい。ドライブやダンスであれば、軽くて着やすい服が求められる。カジュアルウェアだ。テレビジョンがない時代である。彼らの楽しみは映画とダンスで、ダンスフロアの上のウェアが切実に求められたのである。これは日本では想像できないことだ。ダンスフロアの上の服は、自己顕示欲の強い服でなければならない。アメリカ各地で、ディテールの異なる、若者たちのたくさんのダンスのためのカジュアルウェアが誕生した。


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